6689.香港議員資格停止

香港議会、民主派が集団辞職表明 4議員の資格剥奪受け
AFPBB 2020年11月11日 20:00 発信地:香港/中国

【11月11日 AFP】(更新)香港・立法会(議会)の民主派議員らは11日、集団辞職を表明した。これに先立ち、中国の全国人民代表大会全人代、National People's Congress、国会に相当)の常務委員会が香港政府に対し、国家安全保障上の脅威とみなす議員の資格剥奪を認め、議員4人が資格を剥奪されていた。民主派議員15人を率いる胡志偉(Wu Chi-wai)議員は「われわれ民主派は、資格を剥奪された同僚議員らへの連帯を示し、集団辞職する」と発表した。
 中国が香港国家安全維持法(国安法)を導入して以降、ソーシャルメディア上の投稿を理由にした拘束や、活動家らの海外逃亡が相次ぐなど、窮地に立たされている民主派にとって、今回の議員集団辞職はさらなる打撃となる。香港政府は同日、全人代の常務委員会が、国家安全保障上の脅威とみなす議員の資格を、法的手続きを踏まずに剥奪できると決定した数分後に、民主派議員4人の資格を剥奪した。香港行政長官は親中派の選挙委員らによって選出されるが、立法会の70議席のうち半分は直接選挙で選ばれるため、市民750万人が投票によって声を届けられる数少ない機会となっている。しかし民主派議員らの集団辞職後は、議員のほぼ全員が親中派となる。香港市民は政府トップに加え、議員の半数も投票で選ぶことができないため、中国による統治への反発が増大。昨年には、暴力も頻発する大規模な抗議活動が何か月も続いた。(c)AFP

 

コロナ禍とトランプ敗戦拒否の中、中国共産党は香港民主主義弾圧を露骨に強める。タイの反軍権反王制デモ隊は連帯(Milktea Allianceというらしい)を示すが、世界の民主勢力や政府も自分たちのことばかりで事実上手も足も出せない状況。情けない。

6688.イタリア国会三分の一削減

イタリア 上下院の議員定数 一気に約3分の1減へ
NHKニュース 2020年9月22日 17時08分

イタリアで、議会の議員定数を削減する憲法改正案の賛否を問う国民投票が行われ、議会上院と下院の議員定数のおよそ3分の1にあたる340人以上を一気に削減する案が、賛成多数で承認されました。イタリアは長年、議員の汚職や不正が問題になっていて、おととしの選挙では、既成政党を批判し、議員定数の削減を公約に掲げた新興政党の「五つ星運動」が躍進しました。連立政権を率いる「五つ星運動」の主導で議会は議員定数を大幅に削減する憲法の改正案を可決し、20日から21日にわたってこの改正案の賛否を問う国民投票が行われました。改正案では議会上院は現在の315人から200人へ、議会下院は現在の630人から400人へと、およそ3分の1削減するとしています。イタリア内務省によりますと開票はすべて終わり、賛成はおよそ70%、反対はおよそ30%で、議員定数を削減する案は賛成多数で承認されました。投票率は51.12%でした。この結果、次の選挙から、議員定数は一気に340人以上減ることになりました。

五つ星運動」の前代表のディマイオ外相はツイッターに「きょう成し遂げたのは歴史的な結果だ。五つ星運動がなければ実現しなかった」と投稿し、成果を強調しました。

 

イタリア 議員定数3分の1以上を削減へ
日テレ 9/22(火) 12:38配信 Nippon News Network(NNN)

イタリアで議員定数削減の是非を問う国民投票が行われ、議員定数の3分の1以上が削減されることになりました。イタリアでは2年前の総選挙で、政治腐敗を批判する政党「五つ星運動」が与党になり、議員定数の削減など議会改革を訴えていました。

今回、国民投票にかけられた削減案は、上下両院の定数を945議席から600議席へと3分の1以上減らすものです。20日から21日にかけて行われた国民投票では、開票の結果、賛成がおよそ7割を占めました。これにより、次回の総選挙から新たな定数が適用されることになります。議員の定数が3分の1以上削減されることで、年間で1億ユーロ、日本円で120億円以上の歳費の削減が見込まれるということです。

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安倍前政権は野田政権交代時、2012年暮れ、安倍さん「来年の通常国会において、私たちは選挙公約で定数削減と選挙制度改革を行っていくと約束しています。今この場で、そのことをしっかりと約束しますよ」と国会答弁したにも関わらず、全く無視したまま長期政権を終えた。この国の国会での約束が、いかに出鱈目か、国民をコケにしているか、物語っている。

6687.北の新体制?

アングル:北朝鮮国営メディア、変身中 台風実況やネット発信
ロイター 9/4(金) 15:14配信

[ソウル 3日 ロイター] - ここ1週間で2つの台風に襲われた北朝鮮で、国営テレビが異例なことに外国の放送を思わせる報道を繰り広げている。あふれ出た水に記者が膝までつかりながら、ほぼリアルタイムで状況を伝えているのだ。アナリストによると、孤立したこの国にも国際メディアが浸透して競争が激化。こうした状況を前に、国のプロパガンダ機関であるメディアがゆっくりと進化している。最新の実例が3日の放送だった。テレビ放送が夜通しで行われるのも画期的で、記者とキャスターは国内の各地に飛び、風雨にさらされながら大声で最新の状況を伝えた。おそらく台本なしで行われた実況中継は、朝鮮中央テレビ(KCTV)ではめったに見られない瞬間だった。雨でびしょ濡れの記者が、中継の最中、傘を手渡そうとしてきた男性をすげなくかわす光景まであった。

北朝鮮問題専門の米シンクタンク「38ノース」のマーティン・ウィリアムズ氏は「朝鮮中央テレビとしては、驚くほど迅速かつ正直な放送だ。こんなのは今まで見たことがない」と言う。金正恩朝鮮労働党委員長は先週、台風被害の拡大を防ぐため、一層尽力するよう呼び掛けており、ウィリアムズ氏によると、今回の放送は、ほぼ確実にトップダウン反応した結果だ。「必要な検閲と承認が何層も複雑に重なっているため、かなり上層部の承認が無ければこうした放送はできない」と分析する。

<進化するメディア>

米政府でかつて北朝鮮アナリストを務めていた女性は、問題を隠そうとするのではなく、透明性を高めて解決しようとする金氏の方針が、今回の放送に反映されていると指摘。「北朝鮮のメディアにとって、自然災害による被害は常に、非常にセンシティブなテーマだった。洪水に見舞われた場所から、ほぼリアルタイムの報道を流すことは考えられなかった」と話した。金氏の現政治体制が始まった当初から、北朝鮮のテレビはスタイルやフォーマット面でさまざまな実験を行ってきた。若い世代をニュースキャスターに起用する、ニュースでグラフなど図画を多用する、韓国の娯楽ショーをまねるといった試みだ。前出の元北朝鮮アナリストは「金正恩氏は早い段階から、韓国その他の外国から押し寄せるメディア・娯楽コンテンツと競うため、KCTVは時代に追いつく必要があることを理解していた。KCTVが近代化に励んでいるのはそのためだ」と語った。

<世界に情報発信>

北朝鮮は近年、国外の視聴者も獲得しようと、オンラインメディアにも手を出している。1つの例がツイッターアカウント「@ColdNoodleFan」(冷麺ファン)。プロフィールには「反戦、平和主義で、(北朝鮮に関する)バイアスのないニュース」と記されている。ソウルのNKニュースの北朝鮮専門記者、コリン・ズワーコ氏によると、このアカウントは国のSogwangメディアグループと結びついている様子で、同グループの公式サイト等に出る前にコンテンツを公開することさえある。同アカウントのフォロワー数は約9000人、フォローしている他のアカウントはゼロ。ツイッターは最近このアカウントを凍結し「異例の行動」があったとのメッセージを表示しているが、凍結の具体的な理由は明らかにしていない。

また、「Echo of Truth」(真実のこだま)というユーチューブ(Youtube)の英語チャンネルは、北朝鮮「日常」を動画で伝える内容で構成され、登録者数は約2万9000人、再生回数は150万回を超えている。このチャンネルで最も人気を集めた動画は、平壌のピザ店、アミューズメントパークで遊ぶ笑顔の人々、新型コロナウイルスの感染状況、最近の洪水などに関するものだ。「What’s Up Pyongyang?」(平壌で今何が)などのタイトルが付いた動画シリーズでは、英語を話す若い女性が平壌のさまざまなスポットを紹介して回る。

ウィリアムズ氏によると、「Echo of Truth」はここ数カ月、北朝鮮の過去の指導者を映した旧式の動画をひそかに削除し、代わりに視聴者数の拡大につながる新しい動画に焦点を絞っている。同氏によると、中国語のオンラインメディアへの進出は、英語以上に成功を収めているようだ。中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」の北朝鮮アカウントは、フォロワー数が53万3000人に上る。ズワーコ氏は「こうした取り組みは、ソーシャルメディア北朝鮮に関する明るいメッセージで満たすことを目的としているようだ。あるいは少なくとも、海外の他のメディアが伝える北朝鮮情報に疑いを抱かせることだろう」と述べた。

(Josh Smith記者)

 

北朝鮮の新たな女帝・金与正と、浮上した最高幹部「4人組」の運命
Kim’s Sister Rises to Number Two

ニューズウィーク 2020年9月2日(水)19時20分 トム・オコナー(外交担当)

<妹・金与正らに一部権限を委譲したと報じられ、健康不安説も付きまとう最高指導者・金正恩の真の狙いはどこに>

北朝鮮金正恩キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長が権限の一部を最高幹部5人に委譲した──来年1月に5年ぶりとなる第8回党大会の開催が予定され、国外で健康不安説が根強くささやかれる金をめぐって、そんな報道が浮上している。国内外でいくつもの困難に直面する強硬な核保有国、北朝鮮において問題の5人は今後、より大きく、より独立した役割を担うことになるかもしれない。

(中略)

韓国の情報機関、国家情報院が8月22日に非公開で報告した内容では、新たに権限を付与された者として、金与正に加えて4人の人物を挙げた。(略)専門家によれば、こうした動きは金の早期の退任を示唆するわけではない。国家情報院の報告では、金与正が「国務全般」の運営を任されたとみる。北朝鮮が歴史的な転換を行い、現在は停滞する対米・対韓政策もその一環だ。この数カ月、金与正は兄の代理として、韓国の文在寅ムン・ジェイン)大統領やドナルド・トランプ米大統領に向けた公式声明を発表している。(略)

 

【画像】左から李炳鉄、朴奉珠金正恩崔竜海、金徳訓 KCNA-REUTERS

閉鎖的な北朝鮮経済については、朴奉珠(パク・ポンジュ)国務委員会副委員長と、首相に新任した金徳訓(キム・ドクフン)がより大きな発言権を与えられた。過去に首相を2度務めた朴は、崔竜海(チェ・リョンヘ)最高人民会議常任委員会委員長に次ぐ序列3位とされる。金銭をめぐる不正行為や、金正恩の処刑された叔父、張成沢チャン・ソンテク)との親密な関係を理由に懲戒処分を受けたと噂されたこともあるものの、産業界や労働部門で長らく経験を積んできた人物だ。国家的重要度の高い職場の現地視察など、今や朴は目に見える役割を担っている。8月25日には「共同現地指導」を行うべく、石炭ガス化事業であるC1化学工業の建設現場を金徳訓と訪れた。議会予算の監督を担当したこともある金徳訓の主な役目は、内閣の長として経済を運営することだ。最高意思決定機関である朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員会の一員にも選ばれ、朴、崔、李炳鉄(リ・ビョンチョル)朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長、最高指導者の金と肩を並べることになった。国家情報院の報告によれば、より広範な軍事権限を手にしたのが李と崔富日(チェ・ブイル)党中央委員会軍事部長だ。近年の李の昇格は兵器実験の成功と密接な関係にあり、過去の重要な発射実験では金と抱き合う李の姿が確認されている。北朝鮮が2018年初めに韓国やアメリカとの交渉路線に舵を切って以来、元空軍司令官の李の存在感は薄くなる一方だったが、朝鮮半島の緊張状態復活で第一線に復帰し、その勲章の数はさらに増えたように見受けられる。

別の強みもあるようだ。大方の見方では、李は金の妻、李雪主(リ・ソルジュ)の父親か祖父、またはおじだという。一方、北朝鮮の警察を管轄する社会安全省(旧・人民保安省)を率いた崔富日は、金のバスケコーチだったと報じられている。

韓国の国家情報院が非公開で行った報告には、韓国の各党議員が参加した。彼らはメディアに対して、あらゆる点から考えて金は今も絶対権力者として盤石な地位を保ち、正式な後継者の存在は確認されていないと強調している。

(後略)

<本誌2020年9月8日号掲載>

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今年4月の金正恩の健康不安説以来、北権力内で何かが変わりつつあるのかもしれない。

6683.黎智英氏、周庭女史、逮捕される

親民主派のメディア創業者逮捕 活動家の周庭氏も―香港国安法違反
時事ドットコム 2020年08月11日01時08分

【画像】親民主派の香港紙「リンゴ日報」創業者の黎智英氏=6月16日、香港(AFP時事)
10日、香港で国家安全維持法違反容疑で逮捕され、自宅から警察車両で移送される民主活動家の周庭氏(AFP時事)

【香港時事】香港警察は10日、民主派寄り香港紙「リンゴ日報」創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏(71)と著名活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏(23)を国家安全維持法(国安法)違反容疑などで逮捕した。香港メディアによると、2人には、外国勢力と結託し国家の安全に危害を加えたなどの疑いが持たれている。
 10日には、ほかにもリンゴ日報関係者ら8人が国安法違反容疑などで逮捕された。これまで同法を適用しての逮捕者は、デモ参加者や「香港独立」を主張する団体関係者にとどまっていたが、当局は今回、メディア界の大物や国際的に知名度のある活動家にまで摘発対象を広げた。詳細な容疑内容は不明だが、警察は同日夜に記者会見を開き「(関係者は)外国に対して香港への制裁措置を求めていた団体に資金援助をしていた」などと説明した。警察当局は10日、リンゴ日報を発行する壱伝媒(ネクスト・デジタル)のオフィスを約200人態勢で家宅捜索した。逮捕者には黎氏の息子2人も含まれているという。
 黎氏自身は米国との結び付きが強く、反政府デモが多発した昨年には、ポンペオ米国務長官らと会談して香港の現状を発信するなどしていた。黎氏は4月にも違法集会に参加した容疑などで逮捕されている。日本語が堪能な周氏は、これまでたびたび訪日し民主派への協力を求めたり日本メディアへ積極的に発言したりしてきた。今月5日には、違法集会を扇動した罪などで有罪判決を受けていた。

 

香港警察、民主派のメディア界大物を逮捕
BBCニュース 2020年8月10日

【画像】メディア界大物の民主活動家、黎智英(ジミー・ライ)氏は自分は中国の主流派に「毛嫌いされている」と話していた。

香港メディア界大物で民主活動家の実業家、黎智英(ジミー・ライ)氏(71)が10日、香港警察に逮捕された。黎氏の会社幹部が明らかにした。黎氏の会長を務めるネクスト・デジタルの幹部、マーク・サイモン氏は、黎氏は香港国家安全維持法(国安法)の下「今回は外国勢力と結託した疑いで逮捕された」と述べた。国安法は6月30日深夜に施行された。地元メディアによると、香港警察はネクスト・デジタル社内に入り、家宅捜索も行った。黎氏が後ろ手に手錠をされて連行される様子の映像も、伝えられている。香港警察は、10日に7人を国安法違反の疑いで逮捕したと認めたが、その中に黎氏が含まれるかは明らかにしていない。

黎氏は昨年夏から香港で本格化した民主派デモを全面的に支援していた。イギリス市民権も持つ黎氏は今年2月、違法集会と脅迫の罪で逮捕・起訴された後、保釈されていた。黎氏の資産総額は10億ドル(約1060億円)以上とされる。最初に服飾産業で成功した後、メディア業界に参入し、蘋果日報(アップルデイリー)紙を創刊。香港自治政府や中国政府に批判的な報道を展開した。自らも香港の民主化運動に積極的に参加した黎氏を、中国国営メディアは「反乱の首謀者」と呼び、「中国本土への憎悪や否定的情報を、昼夜を分かたずひっきりなしに広め続けた」と非難した。国安法が6月30日に施行された時点で黎氏はBBCに、「これは香港にとって死刑宣告だ」と話していた。黎氏は、香港が今後は中国大陸と同じくらい腐敗した場所になると述べ、「法治主義がなければ、ここで事業をする人間は何の保護も得られなくなってしまう」と話していた。

AFP通信によるインタビューでは、「刑務所に入る覚悟は出来ている。その時が来れば、読んでいなかった本が読める。前向きな気持ちでいるしか、ほかにどうしようもない」と心境を明かしていた。

(英語記事 Hong Kong pro-democracy tycoon Jimmy Lai arrested)

 

民主活動家の周庭氏、国安法違反で逮捕 香港
AFPBB 2020年8月11日 2:09 発信地:香港/中国

【画像】中国・香港の自宅から警察により車で連行される周庭(アグネス・チョウ)氏(2020年8月10日撮影)。(c)VERNON YUEN / AFP
【8月10日 AFP】香港の著名な民主活動家の周庭(アグネス・チョウ、Agnes Chow)氏が10日夜、国家安全維持法(国安法)違反の容疑で逮捕された。周氏の公式フェイスブックFacebook)アカウントは「アグネス・チョウが国安法により、『分離主義を扇動』したとして逮捕されたことが今確認された」と発表。警察筋はAFPに対し、国家の安全をめぐる捜査で10日に逮捕された10人のうちの一人が周氏だったことを認めた。(c)AFP

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大して暴力的とはいえない、民主派メディア老人や若手女性運動家、までついに逮捕。権力側やりすぎ、の典型、これで、より多くの人びとを敵に回した。↓さすがに保釈したが、旅券を取り上げるなど随分脅されたようだ。

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続報)

 香港、民主活動家の周庭氏ら保釈「これまでで最も怖かった」2020/8/12 02:04 (JST) ©一般社団法人共同通信社

【香港共同】香港メディアによると、香港国家安全維持法(国安法)違反の容疑で10日に逮捕された香港の民主活動家、周庭氏が11日夜、保釈された。周氏は保釈された警察署の外で記者団の取材に応じ「これまで香港の社会運動に参加してきて4回逮捕されたが、最も怖かった。起訴されるのかどうか分からないが、パスポート(旅券)も没収された」などと語った。

 香港紙、蘋果日報のグループ創始者で民主派の黎智英氏も保釈された。

 周氏は、外国政府に香港への制裁を訴えていたとして、外国勢力との結託により国家の安全に危害を加えた罪を犯した疑いがかけられたという。

 

香港議会の任期延長決定 全人代、民主派含め全現職議員
共同通信 08/11 23:35 更新

【北京共同】新華社電によると、中国の全国人民代表大会全人代=国会)常務委員会会議は11日、香港立法会(議会)選が1年延期されたことに伴い、現職議員の任期を延長すると決めた。一部の民主派議員の任期延長が認められず失職するとの観測もあったが、香港メディアによると、民主派議員を含む現職議員全員の任期延長が認められ。 新華社電によると、会議は、新たな立法会議員の任期が始まるまで、現職議員は「1年以上、職責の履行を続ける」と決定した。次の議員の任期は従来通り4年とする。会議は8日から開かれていた。

 

6682.香港弾圧露骨過ぎ

香港選挙管理当局 穏健派含む民主派12人の立候補を禁止
毎日新聞2020年7月30日 19時24分(最終更新 7月30日 20時13分)

 香港の選挙管理当局は30日、立法会(議会)選挙(定数70、9月6日投開票)に立候補を届け出た民主活動家の黄之鋒氏(23)ら民主派12人の立候補を禁止した。中国が香港の統制を強化するため制定した国家安全維持法(国安法)に反対していることや、政府が立法会に提案する議案を否決すると表明していることなどを理由とした。さらに多くの民主派候補が出馬禁止に追い込まれる可能性がある。

 2016年は「香港独立」を視野に入れた主張をしたとして急進派の6人が出馬を禁じられたが、今回はこれを大きく上回る過去最大の規模。穏健的な民主派も出馬を認められなかった。憲法に当たる香港基本法で保障された被選挙権は、形骸化が顕著になっている。ポンペオ米国務長官は、立法会選が「自由で公正な形」で実施されるよう要求しており、米国は中国への圧力を更に強めそうだ。

 民主派は、立法会選で過半数議席を獲得し、政府提出の予算案を否決するとの目標を掲げている。選管当局は、候補者には「香港政府に忠誠を誓う」ことが義務づけられていると指摘。「予算案の否決」という目標を掲げる候補に出馬の資格はないと判断した。この基準を当てはめれば、大半の民主派候補は今回、出馬できないことになる。

 香港政府は30日の声明で、香港独立の主張や、外国の政府や組織と連携して香港政府の業務に干渉する行為も出馬禁止の理由になるとした。

 民主派は共倒れを防ぐための予備選を7月11、12日に実施し、当初目標を大きく上回る約61万人が投票した。黄氏は30日、ツイッターで「61万人が投票したにもかかわらず、北京はかつてない大規模な締め付けを行った」と香港政府の後ろ盾である中国政府を批判した。【香港・福岡静哉】

 

香港で学生4人逮捕 国安法違反、デモ以外では初めて
BBCニュース2020年7月30日 Tony Chung

,【画像】4人の逮捕者には、香港の独立を訴える若者の団体「学生動源」の鍾翰林元代表が含まれているとされる

香港で29日、香港国家安全維持法(国安法)に違反した疑いで、学生4人が逮捕された。デモ以外で、同法に絡んで逮捕者が出たのはこれが初めて。警察は4人について、国安法が施行された7月1日以降に、ソーシャルメディアで中国からの「分裂を扇動した」疑いがあると述べた。独立を支持する団体「学生動源」は、逮捕された人には鍾翰林元代表が含まれているとした。

同法違反での逮捕はこれまで、抗議デモでのスローガンや横断幕に関するものだった。

 

中国政府が制定した国安法については、香港の自由を損なうとの批判が出ている。これに対し中国政府は、香港で昨年見られたような民主化要求デモを阻止するために必要な法律だと主張している。

◆どんな逮捕だったのか
警察によると、逮捕されたのは16~21歳の男3人と女1人。香港警察に新設された治安維持部門の担当者は、「入手した情報と捜査から、この集団が香港の独立を訴える組織を作ると、ソーシャルメディアで発表したことがわかった」と述べた。また、コンピューターや電話、書類を押収したとした。逮捕された4人は、「学生動源」の元メンバーか、同団体と関係があるとされる。同団体は国安法施行前の6月に解散したが、外国で活動を続けるとしていた。

警察の担当者は、「国安法を破るよう呼びかける者に対しては、それが海外からであろうと、我々は捜査する権限をもつ」と述べた。

ソーシャルメディアには、香港・元朗区で、手錠をはめられ連行される鍾氏の写真が投稿された。学生動源によると、鍾氏は29日午後8時50分ごろ、拘束された。その際、警官らは鍾氏の私物をいくつかの袋に入れて持ち去ったという。

著名な民主化活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏は、鍾氏が数日間、警察に尾行されていたと述べた。黄氏によると、鍾氏はフェイスブックに「中国のナショナリズム」に関する投稿をしたことで逮捕された。4人の逮捕後まもなく、各人の携帯電話はハッキングされたという。黄氏は、「今夜の逮捕は明らかに、香港のオンライン言論空間に萎縮効果をもたらす」とツイートした。

(英語記事 First 'non-protest' arrests under new Hong Kong law)

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英米豪政府など対中牽制を強めているが効果なし。習近平中央政府は反って、学生逮捕や現役民主派議員資格の事実上はく奪など、民主派弾圧を露骨で容赦ないものとしている。中国政府は明らかにやりすぎ、内部から早晩しっぺ返しを食らう、とみる。

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続報)

香港警察、民主派6人を指名手配 英国に逃れた羅氏ら 国安法違反容疑
時事 8/1(土) 6:05配信

【香港時事】複数の香港メディアは31日、香港警察が羅冠聡氏ら海外在住の民主派6人を「香港国家安全維持法」(国安法)違反容疑で指名手配したと報じた。公共放送RTHKによると、国家分裂を扇動したり、外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えたりした疑いが掛けられている。

 2014年の民主派による大規模デモ「雨傘運動」を主導した羅氏は7月2日、米議会の公聴会で国安法について証言したことで身の危険を感じ英国に逃れたと明らかにしている。6人の中には他に、昨年中国当局に拘束された英国の元香港総領事館職員であるサイモン・チェン氏や、政治団体「香港独立連盟」を率いてきた陳家駒氏らが含まれる。

 6人はいずれも海外に拠点を移している民主派。国安法は香港以外での活動や外国人も適用対象としているが、実際に海外在住の活動家に同法が適用されるのは初めて。 

 

香港 選挙延期「コロナを口実の選挙操作」民主派反発強める
NHKウェブニュース 2020年8月1日 6時38分

香港政府はことし9月に予定していた立法会の議員選挙について、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に1年間延期すると発表しました。過半数議席獲得を目指していた民主派は、選挙での躍進を阻止しようとする中国政府の意向を受けた判断だとして反発を強めています。香港政府トップの林鄭月娥行政長官は31日夜、記者会見し、ことし9月6日に予定されていた立法会の議員選挙について「新型コロナウイルスの感染が広がっており、市民の安全を守るため」として1年間延期すると発表しました。

香港では6月末に施行された香港国家安全維持法のもとで政治活動への締めつけが強まり、30日には民主派の候補12人が政治的な立場を理由に選挙への立候補を取り消されたばかりで、中国による統制強化への市民の反発を追い風に過半数議席獲得を目指していた民主派は厳しい状況に追い込まれています。

香港当局の一連の決定について民主活動家の黄之鋒氏は「中国政府は反対勢力の過半数獲得を阻止するため、さまざまな手段を取っている。選挙の延期は親中派が負けることを恐れているためだ。中国政府が議員を直接任命しようと考えていることは明らかだ」と述べ、民主派の躍進を阻止しようとする中国政府の意向を受けた判断だとして強く反発しました。

民主派の政党「公民党」も「香港の人々の選挙権を奪うもので、コロナ対策を口実としたあからさまな選挙の操作だ」などと今回の延期の決定を厳しく非難しています。

◆米「民主的プロセスと自由損なう」
アメリホワイトハウスのマケナニー報道官は31日の記者会見で「香港の繁栄を支えてきた民主的なプロセスと自由を損なうものだ」と述べて、強く非難しました。

そのうえで「今回の行為は、香港の人々に自治権と自由を保障した約束を破り続けている中国政府の新たな一例にすぎない」と述べて、中国政府を批判しました。
◆ドイツ 香港との犯罪人引き渡し条約停止
香港政府が立法会の議員選挙の延期を発表したことについて、ドイツのマース外相は31日声明を発表し「香港の人々の権利をさらに侵害するものだ」と批判したうえで、香港との犯罪人引き渡し条約を停止することを明らかにしました。声明でマース外相は、香港国家安全維持法のもとで政治活動への締めつけが強まり、逮捕者が出ていることについて「強く懸念している」とし、「自由で公正な選挙の権利は香港の人々に当然与えられるべきものだ」としています。

香港との犯罪人引き渡し条約をめぐっては、これまでにイギリスやオーストラリアなどが停止すると発表しています。

6681.香港図書館、民主派著作を撤去

香港の公立図書館、民主派の著作物を撤去 黄之鋒氏の著書も

AFPBB 2020年7月5日 18:56 発信地:中国 [ 香港 ]

【7月5日 AFP】中国政府が国家安全維持法を導入して数日を経た香港で、著名な民主派活動家らの著書が図書館から撤去され始めていることが、オンライン上の記録で明らかとなった。利用不可となった書籍の著者には、香港で最も有名な若者世代の活動家の一人、黄之鋒(ジョシュア・ウォン、Joshua Wong)氏や、著名な民主派議員の陳淑莊(Tanya Chan)氏らが含まれる。先月30日に施行された国家安全維持法は、香港が1997年に英国から中国に返還されて以降、半自治権を有する香港にとって最も劇的な変化となる。黄氏は書籍の撤去について、同法がきっかけとなったと考えていると指摘。フェイスブックFacebook)への投稿で、政治的迫害を示す言葉を用いながら、「白色テロの拡大が続いており、国家安全維持法は根本的に、言論に罪を負わせるための道具だ」と主張した。

 公立図書館のウェブサイトでの検索では、黄氏や陳氏、香港の学者である陳雲(Chin Wan)氏らの著書少なくとも3冊が、香港各地の図書館数十か所で貸し出し不可になっている。AFP記者は4日午後、黄大仙(Wong Tai Sin)区の公立図書館でこれらの書籍を探したが、探し出せなかった。図書館を運営する香港の康楽及文化事務署(Leisure and Cultural Services Department)は、国家安全維持法に違反するかどうか判断される間、書籍が撤去されたと説明。「書籍を審査するプロセスの間は、貸し出しや参照ができなくなる」と述べた。同法は、国家転覆や、分離活動、テロ行為、外国勢力との共謀を取り締まり対象としている。(c)AFP

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秦の焚書坑儒以来、歴代の文字獄、独断専制政治は中国の悪しき伝統だ。まだ人々は変わりえないのか??

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続報)

香港の言論統制、学校教材も 図書館は民主派著作を撤去
共同通信 7/6(月) 18:27配信

【香港共同】6日付の香港紙、星島日報によると、香港政府教育局は5日、国家安全維持法(国安法)の施行を受け、学校の教材や図書に「国家の安全に危害を加える行為」に関係する内容がないかどうか点検すべきだと表明した。抗議デモのスローガンを禁止した香港政府による言論統制は学校にも広がることになる。

 香港メディアによると、公立図書館では既に、2014年の香港大規模民主化デモ「雨傘運動」の元リーダー、黄之鋒氏ら民主派の著作9点が本棚から撤去され、閲覧や貸し出しが停止された。

 

中国当局が大学教授を拘束、コロナめぐり習近平氏を批判
AFP=時事 7/6(月) 16:47配信

【AFP=時事】(更新)中国で6日、新型コロナウイルスパンデミック(世界的な大流行)をめぐって習近平(Xi Jinping)国家主席を、また同氏による権力基盤の強化を批判する文書を公開した法学教授が拘束された。この教授の友人が明らかにした。厳しい検閲を受ける中国の学界においては異例にも、公に政府批判を展開していた許章潤(Xu Zhangrun)氏は、匿名を希望する友人の一人によると、北京郊外の自宅に集まった20人超の人々によって連行された。許氏は今年2月、中国での新型コロナウイルス拡大の責任が、国家主席によって助長された欺瞞(ぎまん)と検閲の風土にあるとした文章を発表していた。同国有数の名門校である清華大学(Tsinghua University)で法学教授を務める許氏はかつて、ネット上で拡散した文章で、国家主席が2018年に撤廃されたことについても批判していた。許氏の友人によると、警察と名乗る男性が、大学の住宅で別居している許氏の妻に電話を掛け、許氏が同国南西部に位置する四川省(Sichuan)成都(Chengdu)で買春を持ちかけた疑いで逮捕されたと伝えたという。許氏は昨冬、多数の改革派の学者らとともに成都を訪れていた。だが先の友人は、今回の逮捕がこの旅行と関連があるのか不明確で、許氏に対する容疑は「ばかげており恥知らず」だと述べている。【翻訳編集】 AFPBB News

 

国安法、令状なしの捜査可能に ネットアクセス制限も―香港
時事 2020年07月07日00時02分

【香港時事】中国政府が香港統制を強化する「国家安全維持法」施行に伴い香港に新設された「国家安全維持委員会」は6日、第1回会議を開いた。会議では、特殊な状況下で令状なしの捜索が可能となるなど、捜査手続きに関する施行細則を新たに制定。香港政府は7日から実施すると発表した。細則にはほかに、国家の安全に危害を加える恐れがあるインターネット情報へのアクセス制限や資産凍結、行政長官の承認で通信傍受や監視が可能となるといった内容が盛り込まれた。当局に強い捜査権限を付与するもので、細則に従わなければ最高で2年の禁錮刑と10万香港ドル(約140万円)の罰金を科す。

 

6680.南シナ海で米中同時軍事演習

米中、南シナ海で大規模軍事演習 同時期は異例
ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 7/4(土) 9:17配信

 米海軍は南シナ海に「ロナルド・レーガン」と「ニミッツ」の空母2隻を派遣し、近年では最大級となる演習を4日から実施する。周辺では中国軍も同時に演習を実施しており、南シナ海の実効支配を強める中国をけん制する狙いがある。通商問題や新型コロナウイルスの世界的大流行、中国による香港への統制強化を巡り、米中の間で緊張が高まる中、米当局者は中国による「違法な領有権の主張」に対抗する構えだ。ロナルド・レーガン空母打撃群の司令官を務めるジョージ・M・ウィコフ少将はインタビューで、「米国が地域の安全保障と安定に注力しているとの明確なメッセージを同盟国に示すことが目的だ」と話す。演習には空母2隻のほか、軍艦4隻も加わり、空母艦載機の攻撃力を試す連続飛行訓練も行われる。

 中国は近年、とりわけ南シナ海で軍事力を誇示する取り組みを強化している。ほぼ全域を自国の領土だと主張しており、同様に領有権を争う東南アジア諸国の主張を退けている。中国はミサイルを配備しているほか、人工島を建設して軍事施設を構築するなどして、米国やその同盟国が南シナ海で展開することを困難にしている。また、中国は1日から西沙(英語名パラセル)諸島近辺で演習を開始した。国営テレビによると、演習は5日まで行われる予定。中国は1974年、ベトナムから西沙諸島を奪い取った。

 米中が同じ地域で同時期に大規模な軍事演習を行うのは異例。

 ウィコフ少将は、演習の具体的な実施場所については明らかにしなかった。今回の演習は中国軍の演習に対する措置ではないとしながらも、中国が軍事的な支配を強めていることを踏まえると、米海軍のプレゼンスは正当化されると述べた。「それは非常に有益だと考えており、この地域におけるわが軍の作戦の正当性を立証するものだ」。米国が軍事力を誇示する背景には、新型コロナを克服した中国が周辺諸国・地域への圧力を強めていることがある。中国は台湾空域への戦闘機の派遣を増やしているほか、インドとはヒマラヤ山脈の国境付近で衝突。香港では「国家安全維持法」の施行を強行した。米当局者によると、中国は米国がコロナ対応に追われているのに乗じて、国際貿易の主要経路である南シナ海での活動を活発化させている可能性がある。

 オランダ・ハーグの仲裁裁判所は2016年、中国が南シナ海ほぼ全域の領有権を主張している問題で、主張に法的根拠はないとの判断を下した。だが、中国は判決を無視し、その後も周辺での軍事拠点化を進めている。

By Alastair Gale

 

米空母2隻が南シナ海で軍事演習-中国軍も同海域で演習
Soraya Permatasari ブルームバーグ 2020年7月5日 7:17 JST

米軍は「ロナルド・レーガン」と「ニミッツ」の空母2隻を軍事演習のため南シナ海に派遣した。南シナ海では中国も、1日から5日までの予定で軍事演習を行っている。 米海軍は電子メールで配布した声明で、演習は「自由で開かれたインド太平洋を支援するため、南シナ海の国際海域」で実施されると説明した。具体的な位置には言及していない。CNNは、領有権が争われている島々の付近で演習が行われることはないと伝えた。

  米国務省は2日、中国の軍事演習に対して「南シナ海の状況をさらに不安定にする」と懸念を表明。中国政府はこれに対し、中国と東南アジア諸国との間に不和の種をまこうとしていると間接的に米国を批判した。

原題:U.S. Sends Aircraft Carriers to Exercise in South China Sea (1)、U.S., Vietnam Protest Beijing’s South China Sea Military Drills(抜粋)

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米中軍隊間でプロトコール化している節がある。ちゃんと結果を出せない(少なくとも中国の覇権主義はいっこうに衰えない)自己満的示威行動は米国と自由世界の納税者への背信だ。これまでと同じ、ではだめだ。軍のあり方、情報公開、政治や人々による監視と管理を強く求める。

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続報)

中国、東シナ海でも軍事演習 3海域同時で影響力誇示
日経新聞 2020/7/5 20:35

【北京=羽田野主】中国国営中央テレビ(CCTV)は5日までに、人民解放軍南シナ海だけでなく東シナ海黄海でも軍事演習をしたと伝えた。3海域同時の演習は異例だ。米国との対立の深まりを受け、同海域での影響力を誇示する狙いがあるとみられる。

CCTV東シナ海を所管する東部戦区の海軍がミサイル駆逐艦を投入し、軍用ヘリコプター2機と連携して正体不明の船舶を拿捕(だほ)する様子を伝えた。台湾や沖縄県尖閣諸島(中国名・釣魚島)を意識している可能性がある。黄海を所管する北部戦区では護衛艦海上の目標に向かって実弾射撃訓練する場面を伝えた。南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島の海域でも1~5日まで船舶の航行を禁止し海上の射撃訓練をすると通告している。国営メディアは「三大戦区で大演習だ」と誇示した。中国の軍事関係筋は「米国やインドなどと緊張が高まり、国内で不安視する声が広がっている」と話す。

南シナ海では中国の演習と同時期に米軍が原子力空母2隻を派遣し、大規模な軍事演習を実施している。

米中が同時期にそれぞれ実施するのは異例で、同海域での緊張拡大が鮮明になった。中国としては対外的に強い態度を示して国内の不満をそらす狙いも透ける。

対米外交を巡っては6月に中国外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)中国共産党政治局員がハワイの米軍基地を訪れた。ポンペオ米国務長官との緊張緩和を巡る協議は平行線に終わったとみられている。中国の香港への統制を強める香港国家安全維持法の制定を受け、日米欧は反発を強めた。米上院本会議は7月2日、香港の自治の侵害に関わった中国共産党員や金融機関への制裁を可能にする「香港自治法案」を全会一致で可決した。自民党の外交部会などは3日、延期している習近平(シー・ジンピン)国家主席国賓来日を中止するよう政府に求める決議案をまとめた。

習指導部は中国で新型コロナウイルスのまん延がピークを越えた3月以降、海洋進出を活発化させてきた。海上保安庁は7月5日、尖閣周辺で4日に領海侵入した中国海警局の船2隻が5日夕まで領海内にとどまっていたと明らかにした。3日に記録した30時間17分を超え、2012年の尖閣国有化以降で最長を更新した。中国外務省の報道官らはオーストラリアやカナダなどに対しても挑発的な言動をする「戦狼外交」を繰り広げる。

北京の外交筋は「中国が緊張をつくり出し他国の反発を受けてさらに強硬になるという悪循環だ」と指摘する。

緊張高まる南シナ海 米軍が空母2隻を派遣
CNN.co.jp 7/7(火) 19:46配信

香港(CNN) 6年ぶりに米空母2隻が南シナ海に派遣された。紛争地域の大部分を独占しようとする中国を押し戻そうとする米政府が軍事力を誇示する最新の事例となった。米空母2隻が南シナ海に到着したのは、中国海軍が所有権争いの起きている諸島の近海での軍事演習を終えようとしているときだった。この明らかな共時性は中国の国営メディアにとっても明白で、国営メディアは、中国が自国の主張に対抗しようとする米国の全ての試みを撃退する準備が整っていると報じた。米海軍は声明で、空母「ニミッツ」と「ロナルド・レーガン」が防空能力の最大化と、艦載機からの長距離精密攻撃の射程の拡大を目的とした複数の軍事訓練を実施したと明らかにした。米空母2隻が南シナ海に派遣されたのは2014年以来初めてであり、2001年以降でみても2度目だという。米海軍は声明で、こうした演習について、国際法が許すところで飛行や航行、演習を行うという全ての国家の権利を擁護する米国のたゆまぬ関与を支持するものと述べた。米軍が独立記念日に兵力を誇示する一方、中国は南シナ海の西沙(パラセル)諸島近海で5日間にわたる軍事訓練を行った。同諸島についてはベトナムや台湾も領有権を主張している。中国は訓練の詳細を明らかにしていないが、環球時報に掲載された記事によれば、訓練は「集中的」なものだったという。

中国外務省は先ごろ、南シナ海での訓練について、主権の範囲内で合理的なものであると述べた。中国政府は約336万平方キロの南シナ海の大部分について領有権を主張している。中国はこの数年間でいくつかの諸島で軍事施設の建設を進めている。中国は昨年、南シナ海でミサイルの発射実験も行っている。中国の習近平(シーチンピン)国家主席は2015年、当時のオバマ米大統領に対して、島の要塞化は行わないと約束していた。米中間の関係が悪化するなか、米政府は南シナ海での演習を着実に増強している。米国は中国が実効支配する島の近くで「航行の自由」作戦を実施したほか、日本やシンガポールと合同演習も行っている。今回の空母2隻の派遣には60機以上の航空機やミサイル巡洋艦駆逐艦も同行しており、これはまるで、米政府は同地域におけるあらゆる影響力を中国政府に対して譲り渡すことはないと宣言しているかのようだ。一方、中国政府は米軍の存在について、地域の不安定化をもたらすと指摘。中国外務省広報官は「域外の一部の国が、大規模な軍事活動のために数千マイルも移動して南シナ海を訪れて、武力を誇示することは、南シナ海の安定に影響を与える根本的な理由である」と述べた。米太平洋軍統合情報センターの元責任者、カール・シュスター氏は空母を2隻派遣するのは、少なくとも今のところは、米海軍だけだという。中国が保有する稼働している空母は1隻のみで、2隻目の就役に向けて動いている。しかし、米空母2隻ほどの航空機の搭載能力はない。さらに2隻は、3隻目の空母「セオドア・ルーズベルト」とフィリピン海で演習を終えたばかりだった。シュスター氏は、中国軍と米軍との間にある軍事力の差は明白であり、中国や地域にとって、軍事的、地政学的なメッセージとなると指摘した。一方、中国は米空母について、「張り子のトラ」と指摘。中国政府は南シナ海での立ち位置を守るための十分以上の火力を保持しているとしている。