6657.個人一人ひとりまで

ロンドン市長、ホームレスを国際チェーンのホテルに収容へ 新型コロナ対策

3/22(日) 21:55配信 AFP=時事
【AFP=時事】英首都ロンドンのサディク・カーン(Sadiq Khan)市長は21日、自主隔離および新型コロナウイルスから「生命を守る」ため、市内にいる多数のホームレスのホテルへの収容を進めていることを明らかにした。ロンドン市長室の発表によると、今後12週間にわたってホテル2か所の部屋300室が利用可能となった。カーン市長は、「コロナウイルスの流行でロンドンにいるすべての人が影響を受ける。われわれは、すべての人、特に毎晩首都の路上で野宿をしている市民の健康を守るために、できる限りのことをしなければならない」と述べた。さらに、「路上生活者はすでに、困難で不安定な生活に直面しており、すべてのロンドン市民と同様に彼らが可能な限り最善の保護を受けられるよう、私はできる限りのことをしようと決心している」と力説した。この計画は、20日夜から開始されたとみられる。路上生活者らは、インターコンチネンタル・ホテル・グループ(InterContinental Hotel Group)系列のホテル2か所に収容され、ボランティアを申し出た黒塗りタクシーの運転手らによって、宿泊先に移送されるという。市長室の昨年のデータによると、ロンドン市内では毎晩、約1100人が野宿をしている。【翻訳編集】 AFPBB News

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ポストポストモダンの今日、ベンサム流(功利主義的)「最大多数の最大幸福」を善(や正義)の目標と掲げるだけではもはや不足、「一人のもれなく」「自由平等平和で愛に包まれ希望を持てる」ことを(あの世でも空想理想論でもなく)この世で実現することとracは主張し続けているが、今回のコロナ禍はまさに象徴的出来事だ。どんな被差別者であれどのようなひとりでも、無視すれば、その分感染リスクは高まる。好むと好まざるにかかわらず、人ひとりの命は重いと扱わざるを得なくなっている。科学英知と人間史がひとをここまで高めてきたのだ。素晴らしいことだ。

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だがアジアの貧民窟の現実は↓、また国連総長は世界の停戦を呼び掛けたと、同じAFP、関連記事。 

アジアの巨大スラムを襲う新型コロナの脅威

AFPBB 2020年3月23日 11:49 発信地:マニラ/フィリピン

【3月23日 AFP】メアリー・グレイス・アベス(Mary Grace Aves)さん(23)は、新型コロナウイルス感染症の大流行におびえている。だが、家族を守る最高の武器である「隔離」と「衛生」は、アベスさんが住むフィリピンの首都マニラのスラム街では手が届かないぜいたく品だ。同じような危険が、アジア各国の巨大スラム街に押し寄せている。スラム街で清潔を保つことはほぼ不可能で、人々は生き延びるために毎日外出しなければならない状況だ。マニラのトンド(Tondo)地区にあるアベスさんの自宅は洋服ダンスほどの大きさで、「道で誰かに出くわしたら、どうしても触れてしまう」と語った。アジアでは新型コロナウイルス拡大防止のための対策が強化されており、マニラも封鎖されている。

 新型コロナウイルスへの感染はせきやくしゃみの飛沫(ひまつ)を通じて起きることが多く、世界の保健当局は最も効果的な予防策は外出を控え、手を清潔に保つことだとしている。「しかし、もしそのどちらもできないとしたら?」と英開発学研究所(IDS)のアニー・ウィルキンソン(Annie Wilkinson)氏は意見記事で書いている。「都市部の貧困層への影響は、他の地域に比べかなり大きくなるという現実的な危険がある」。

 世界銀行(World Bank)の2017年の調査によると、東アジア・太平洋地域では2億5000万人がスラム街に暮らしており、その多くは中国、インドネシア、フィリピンにいるという。スラム街では料理、洗濯、個人の衛生管理、娯楽が、人がたくさんいる共有スペースで行われる。アベスさんの住居には、マスクも消毒液も洗面所もない。トイレはバケツで、中身はエステロ・デ・ビータ(Estero de Vita)川の黒く濁った水に直接捨てられる。スラム街は感染症が拡大するのに必要な条件がすべてそろっているといえる。

■生と死を分けるもの

 現在世界の新型コロナウイルス感染者は33万人近くに達しており、うち1万4396人が亡くなっている。流行は加速しているが、アジアの最貧層の人たちは自らを守るすべがない。

 インドネシアもインドも、スラム街における感染予防に向けた特別な措置は講じていない。また、パキスタンのイムラン・カーン(Imran Khan)首相は、経済的被害が多すぎるため、大規模な都市部封鎖は行わないと表明した。「人々は既に難しい状況に直面しており、都市部を閉鎖した場合、最終的に新型コロナウイルスからは守られるかもしれないが、飢えで死ぬだろう」。

 トンドの住民は、政府がマニラを封鎖して以来、仕事がないと話す。お金が底をついたら、仕事を探しに外に出なければならないと語る。

 スラム街の住民は重症化しても費用を懸念して治療をためらうとみられている。公衆衛生専門家のギデオン・ラスコ(Gideon Lasco)氏は、「質の高い医療へ迅速にアクセスできるかどうかが、生と死を分ける可能性がある」と指摘している。(c)AFP/Joshua Melvin and Ron Lopez

 

国連総長「全世界で即時停戦を」 新型コロナ、シリアなどに拡大

AFPBB 2020年3月24日 6:11 発信地:国連本部/米国 
【3月24日 AFP】国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は23日、新型コロナウイルスパンデミック(世界的な大流行)から紛争地域の脆弱(ぜいじゃく)な市民を守るため、「全世界での即時停戦」を呼び掛けた。グテレス氏は米ニューヨークの国連本部で行った短い演説で、「ウイルスの猛威は、戦争の愚かさを浮き彫りにしている」と表明。「よって私はきょう、全世界、すべての地域での即時停戦を呼び掛ける」と述べたが、具体的な国名には言及しなかった。

 新型コロナウイルスの流行では、10年にわたり続く内戦で疲弊しているシリアで初の感染者が確認された他、コンゴ民主共和国アフガニスタンでも感染者が出ている。専門家や外交官らは、紛争下にある国の多くは極めて貧しく、医療体制も整っていないため、ウイルスにより大きな被害を受けるとみている。グテレス氏は「武力衝突を停止し、私たちの一生に一度となる真の闘いに共に注力する時が来た」と言明。「銃を沈黙させ、大砲を止め、空爆を中止する」ことが人命を救う支援を提供するために不可欠だと訴えた。グテレス氏は先週、新型コロナウイルスの流行により「数百万人」の命が危険にさらされているとし、世界的な対応を呼び掛けていた。国連は25日、国際的なコロナウイルス対策のための基金創設など、人道支援に向けた世界的計画の詳細を発表する予定。(c)AFP/Philippe RATER